死亡フラグ:バナナの皮で死ぬ運命だった拙者、ギャグ補正で抗ったら世界を滅ぼしたでござる
ももちく
ゲームゲーム世界
2025年12月16日
公開日
1万字
連載中
死亡フラグは、いつだって唐突だ。
剣が折れるとか、魔王が強すぎるとか、そんな“それっぽい理由”ですらない。
ただ、バナナの皮を踏んだだけだった。
未踏ダンジョンを攻略し、生還率ゼロの最深部から帰ってきた男――
元・主人公にして現・ギャグ要員、コタロー・フーマ。
彼は知ってしまった。
この世界は逃れられぬ死を押し付けてくる。
バナナで滑る。
盛大に転ぶ。
金ダライが顔面直撃。
トドメは釣り天井
そして――死ぬ。
それは偶然ではない。不運でもない。
世界そのものが、“正史”を理由に命を狙ってくる。
「……ふざけんな」
シナリオ(正史)をぶっ壊す。
そのためにチートスキル:ギャグ補正を取得してやった。
それでも“正史”から外れた存在は排除される。
そんな世界で、コタローは足掻く。
自分のために。
誰かを死なせないために。
そして、“自由に生きる”というバグを肯定させるために。
旧作ウィザード・ツヴァイの主人公・コタロー・。
新作ウィザード・ドライの主人公・アルト。
正体不明の女神。
世界の裏側を知る少女。
そして、すべてを管理する「創造主」。
ギャグで笑わせながら、メタで刺す。
やがて「世界そのもの」に牙を剥く。
――シナリオ通りに死ぬか。
――それとも、笑いを胸に刻んで足掻くか。
これは、
“バナナの皮”から始まる、世界への反逆譚。
ギャグなのに重い。
笑えるのに苦しい。
それでも最後には、きっと前を向ける。
誰も死なせないために、世界を壊す物語。
第1章:ゲーム内転生
第1話:ゲームの始まりです(1)