秘書は恋人ではありません 〜御曹司と三年の落としもの〜
くるりん
恋愛現代恋愛
2025年12月18日
公開日
2.6万字
完結済
ずっと憧れていた公家山財閥の御曹司・公家山涼介と、奇跡的に恋人同士になった佐山詩織。
身分も世界も違う二人の恋は、慎ましくも確かな幸せに満ちているはずだった。
しかし詩織の心を蝕んだのは、涼介のそばを常に離れない「元カノ」だと噂される女性――西園寺瑠美の存在。
瑠美に呼び出されれば、デートの途中でも迷わず駆けつける涼介。その姿を前に、詩織は思い込んでしまう。
――彼は、今も彼女を愛しているのだと。
身を引くことこそが、彼を想う最後の愛だと信じた詩織は、
「好きな人ができた」という嘘を残し、理由も告げぬまま涼介の前から姿を消す。
だが、その別れは、あまりにも残酷なすれ違いだった。
涼介にとって瑠美は、ただの有能な秘書であり幼馴染。
恋人だった事実など、一度も存在しなかったのだから。
――三年後。
中堅企業の広報として懸命に働く詩織の前に、買収により新たな親会社の代表として現れたのは、
冷徹で人を寄せ付けない雰囲気を纏った、公家山涼介だった。
過去を知らないふりをする彼と、胸に秘めた想いを隠す彼女。
再会から始まるのは、終わったはずの恋か、それとも――
誤解と沈黙の先に辿り着く、真実の愛の物語。