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結婚式当日、婚約者は初恋の相手のもとへ逃げた――私は彼の親友と契約愛人になった
結婚式当日、婚約者は初恋の相手のもとへ逃げた――私は彼の親友と契約愛人になった
Hoshikonbu Mogu
恋愛現代恋愛
2025年12月18日
公開日
3.6万字
連載中
結婚式当日、新郎は逃げるように空港へ向かい、初恋の女性を迎えに行った。 花嫁・望月凪紗はウェディングドレスのまま、招待客の嘲笑の中に置き去りにされる。 その時、彼女は思い知る。 三年間の恋愛で、自分はただの「初恋の代用品」だったのだと。 好きな色も、好物の料理も、初めてのキスの場所さえも――すべては“彼女”の影。 失業、祖母の病危、そして社会的な死。 追い詰められた凪紗の前に現れたのは、元婚約者の友人・氷室京介だった。 「俺の恋人になれ。欲しいものはすべて与える」 商界で冷酷無比と恐れられる男は、凍てつくような視線で取引条件を突きつける。 凪紗は契約書にサインした。 それがただの取引だと思っていた―― だが彼は、彼女が最も惨めな時に盾となり、 元恋人が絡んでくれば冷然と所有を宣言し、 そして、彼女のために巨大なビジネス帝国を動かし、復讐を果たす男だった。 藤原貿易が破産したその日。 元婚約者は彼女の前に跪き、叫ぶ。 「凪紗、俺が間違っていた……」 凪紗は背後の男の腕に身を預け、静かに微笑む。 「藤原さん。私たち、知り合いでしたか?」 契約から真心へ。 代用品から、ただ一人の真実の愛へ。 再び桜が咲く季節―― 彼女はついに、世界で一番幸せな花嫁になる。

第1話 桜が散りゆく日

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