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「金のため別れた」と嘘をついた私を、六年後の元カレが追い詰める
「金のため別れた」と嘘をついた私を、六年後の元カレが追い詰める
みどりゆうき
恋愛現代恋愛
2025年12月31日
公開日
5.9万字
連載中
深夜の救急外来で、彼と再会した。水瀬千晴、二十八歳、シングルマザーで恋愛小説家。立花修一、三十歳、エリート外科医――そして、六年前に金持ち目当てで彼を捨てた、かつての恋人。 「子供の父親は?」 「…亡くなりました」 咄嗟についた嘘。修一の冷たい嘲笑が胸を刺す。彼は、私が“裕福な男”に走ったと信じたまま、六年の歳月を経て帰ってきたのだ。私が彼の前途を案じ、たった一つのアメリカ留学枠を守るため、醜い嘘をついて別れたことなど、知る由もない。 再会は、すべてを狂わせる始まりだった。彼はなぜか私と息子・陽太に執拗に近づいてくる。ベランダの手すりを直し、息子をディズニーに連れて行き、果ては「陽太の父親になりたい」と言い出す。周囲の好奇の視線が、舞台のスポットライトのように私たちを照らす。息子は無邪気に彼に懐き、私は過去の罪と、陽太が実は彼の子であるという真実に、胸を締め付けられる。 すべてを打ち明けるべきか。それとも、この儚い日常を守るために、嘘を重ね続けるべきか。彼の元許婚で、すべての元凶である桜庭雅美の影が、再び私たちを脅かし始める――。

第一話 深夜の病院での気まずい再会(上)

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