【溺愛確定】年上財閥社長が聴覚障がいのパティシエを365日口説いた結果――気づいたら東京一の富豪の妻になっていました
紙月しづ
恋愛現代恋愛
2026年01月09日
公開日
2.2万字
連載中
左耳を失聴し、母は人身売買の被害者となった。
彼女は東京の片隅で、ひっそりと小さなスイーツ店を営んでいる。
桜庭朝霧は、これまで一度も「愛されること」を望んだことがなかった。
――あの32歳の男が、彼女の人生に踏み込んでくるまでは。
彼は橘川財閥の社長。東京最年少の億万長者。
毎週水曜日の午後、必ず同じ時間に店を訪れ、同じ席に座り、そしていつも、穏やかな声でこう尋ねる。
「今日は、どんな一日でしたか?」
朝霧は、それをただの偶然だと思っていた。
だが――
人身売買組織の人間が現れ、理不尽な“賠償金”を要求してきたその日、恐怖に震えながら助けを求めた彼は、一夜にして犯人を拘束し、記者会見を開き、こう宣言した。
「彼女に手を出すことは、橘川財閥を敵に回すということだ。」
さらに、悪意ある親族が店に押しかけ、騒ぎ立てた時も――彼は弁護士団を率いて現れ、冷酷に言い放つ。
「慰謝料三千万円。一円たりとも、値引きはしない。」
そして、東京タワーの頂で。彼は片膝をつき、朝霧にプロポーズした。
「朝霧。君は自分の過去を、汚れていると思っているのかもしれない。――なら、僕がすべて洗い流そう。」
「僕に釣り合わないと感じるなら、僕のほうが立場を下げればいい。君が、この愛を受け入れてくれるまで。」
「どうか、僕に一度だけチャンスをくれ。君の一生を、守らせてほしい。」