婚約者に「結婚後はお互い自由」と言われ、99回目の裏切りの末、私は彼の宿敵と結婚した
SSS
恋愛現代恋愛
2026年01月15日
公開日
2.9万字
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メモ①:あなたは、私の誕生日を忘れた。
メモ⑨⑨:あなたは、皆の前で彼女を選んだ。
メモ⑩⑩:彼女の存在を受け入れろと言った。
――私は、何だと思っているの?
雨宮遥香は、春野涼介に百回のチャンスを与えた。
だが彼は、そのたびに裏切りを選んだ。
秘書に恋をし、人前で手をつなぎ、「結婚したら、お互い自由でいよう」と言い放った――。
遥香は微笑みながら婚約破棄の書類にサインし、振り返ることなく北海道へ向かった。
雪原の中で、桐谷財閥の後継者・桐谷修一が片膝をつく。
「五年間、君を待っていた。……今、君を追いかけてもいいか?」
春野涼介は、正気を失った。
会社の株価は暴落し、地位を奪われ、秘書は逮捕され、彼はすべてを失った。
写真展の会場。彼は人前で膝をつき、復縁を懇願する。遥香は静かに、あの百の記録を、皆の前に差し出した。
「春野涼介。あなたの謝罪は受け取る。でも、許すことはしない。――許すということは、私が味わった痛みを否定することだから」
彼女は桐谷修一の腕を取り、フラッシュの中で婚約を発表した。
床に崩れ落ちた春野涼介は、彼女の背中を見つめながら、声を上げて泣き崩れた。