北条戦兎
SF時間SF
2026年01月20日
公開日
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連載中
西暦2126年。地球の覇権争いは、高度な自律型AIを搭載した無人機と、その指揮官機である量産型ステルス機XF/A-22 ネオ・ファルコンによる「計算された戦争」へと変貌していた。
ある日、日本の防空識別圏内に、現代のレーダー技術を無効化し、既存の戦闘機を遥かに凌駕する加速性能を持つ「正体不明機」が突如として現れる。最新鋭のネオ・ファルコン隊が手も足も出ず撃墜されていく中、航空宇宙自衛隊は禁じられた封印を解くことを決断する。
岐阜基地の地下に眠っていたのは、100年前の2020年代、あまりに早すぎた技術によって生み出された「亡霊」――XF/A-58 スペクター・ザナドゥ。
その機体は、パイロットの脳と機体を直接接続し、神経そのものを翼とする「ニューラル・ダイブ」を搭載していた。凄まじい精神負荷ゆえに、過去に誰一人として乗りこなせなかったその翼に、適合者として選ばれたのは、若きパイロット北条戦壱だった。
なぜ100年前の機体が、未来の空で最強なのか。 なぜ北条戦壱だけが、この機体を操れるのか。
かつて人類が「進化」の代償として切り捨てたはずの鋼鉄の亡霊が、AIが支配する未来の空を真っ白に塗り替えていく。