火事で夫は初恋の犬を優先し、妻の私は窓から飛び降りた――離婚調停で彼は泣いたが、私の心はもう死んでいる
きなこもち
恋愛結婚生活
2026年01月30日
公開日
3.1万字
連載中
「琴葉、どうして怒らないんだ!?」
夫は声を荒げた。
怒る?
――なぜ、私が怒らなければならないのだろう。
元恋人の誕生日だからと呼び出されたこと。
火事のとき、私より先に犬が助け出されたこと。
それとも、流産したあの日、彼がそばにいなかったこと。
五年間、私は懸命に「良い妻」であろうとしてきた。
けれど、彼の心にいるのは、いつも別の女性だった。
ある日、私はようやく気づいた。
身代わりは、どれほど努力しても本物にはなれない。
私は離婚を決意した。
空港で、彼は泣きながら引き止めた。
それでも、私は振り返らなかった。
――三年後、ロンドン。
私は仕事で成功を収め、愛する人との婚約を控えている。
元夫から、メッセージが届いた。
「もう一度、やり直せないだろうか」
私はそれを読み、返信しなかった。
選ぶのは、もう私だ。
そして、私が選んだ未来に、あなたはいない。