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失明した私を継母が強制お見合い、相手は月収30万の貧乏会社員?いいえ、正体は財閥の貴公子でした――一年契約結婚のはじまり
失明した私を継母が強制お見合い、相手は月収30万の貧乏会社員?いいえ、正体は財閥の貴公子でした――一年契約結婚のはじまり
Awa
恋愛現代恋愛
2026年02月05日
公開日
2.7万字
連載中
交通事故で、母と光を同時に失った。父はほどなく再婚した。 継母と継妹は、毎日のように金を出せと迫り、逆らえば「役立たず」と罵り、しまいには私を“ゴミみたいな男”に嫁がせると脅してきた。 お見合い当日、私はその声を聞いた――三年前、闇の中で私を救ってくれた、あの人の声。 彼は言った。月収は30万円。車を買ったばかりで貯金はゼロ。タバコも酒もやる、と。 私は煙の匂いを感じなかった。きっと貧乏を装っているのだと分かっていたけれど、それでも、口には出せなかった。 命の恩人のそばにいられる。それだけで、私には贅沢すぎたから。 けれどある日、継母が街中で私を罵倒した瞬間――彼は静かに名刺を差し出した。 〈桐谷グループ 常務取締役〉 「……私を騙したの?」 「身分は嘘だ。でも、対等でいたいと思った気持ちは本当だ」 一年限定の契約結婚。私は、彼が厄介な縁談を避けるためだと思っていた。――まさか、それだけじゃなかったなんて。 継母が周囲を巻き込み、私をネットで叩き始めたと知った瞬間、彼は迷いなく記者会見を開いた。 証拠を突きつけ、反対派を圧倒し、そして、公の場で私への想いを告げた。 ある夜、彼は言った。「……契約、違反したい」 私は泣きながら答えた。「三年前、あなたの声を覚えたの。お見合いの日、すぐに気づいてた……」 手術を終え、目を開いたその瞬間。 私が最初に見たのは、彼の顔だった。 ――人を愛する姿は、声よりも、ずっと美しかった。

第1話 カフェでの再会

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