婚姻届提出当日、婚約者が別の女とキスしてドタキャン!ここまで来たし、その場で捕まえた男と電撃結婚!
Wanwan
恋愛結婚生活
2026年02月10日
公開日
2.9万字
連載中
桜井美月は、橘隼人を六年間、ひたすら追い続けてきた。
六年間、毎朝四時に起きて築地へ向かい、一番新鮮な食材を選んで彼のために弁当を作った。
六年間、大好きだった華やかな服を封印し、彼が「きちんとして見える」と言った、地味な色のワンピースだけを着続けた。
六年間、誇りを削り、プライドを捨て、自分自身を――彼の好みに合わせて作り替えてきた。
けれど、あの日。彼のオフィスの扉の外で、美月はその言葉を耳にする。
「別に、俺は彼女のこと好きじゃないし」
「そんなに同情するなら、君にあげてもいいよ?どうせ向こうが勝手に尽くしてるだけだし」
婚姻届を出す約束の日。美月は渋谷区役所で、朝九時から十一時まで一人で待ち続けた。
届いたのは、たった一通のLINE。「今日は行けなくなった。別の日にしよう」
そして、Instagramの投稿。鎌倉の海辺で、茶道名家の令嬢・藤原雪奈と抱き合いキスをする彼。キャプションは――「念願成就」。
美月は、すべての連絡先を削除した。
そのまま振り返った瞬間、目の前に立っていたのは、高校時代の犬猿の仲――神崎凛太郎だった。
「俺と結婚する?」
「桜井。どうせ区役所まで来たんだろ」
その契約結婚が、すべてを変えた。
商社の年次パーティーで、元恋人は、美月が神崎凛太郎の腕に手を絡めている姿を見て、顔色を失った。
彼女を陥れた茶道令嬢は、学歴詐称と脱税が発覚し、茶道界から永久追放。
橘建築は資金繰りに行き詰まり、倒産を発表。
カフェで頭を下げながら懇願する彼に、美月は静かに言った。
「――私にしたこと、覚えてる?」