台北の元猫カフェ店員が京都で国際結婚~置いてきた愛猫に誓った起業物語
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恋愛現代恋愛
2026年02月19日
公開日
5.9万字
完結済
台湾の路地裏にある猫カフェ。そこで働く23歳の莉華(リーホァ)は、自分を「透明人間」だと思い込んで生きてきた。
高圧的なマネージャーの顔色を窺い、自分の意見を押し殺す日々。
彼女にとっての唯一の居場所は、古いアパートで寄り添い合う3匹の愛猫たち――勇気、元気、そして17歳の老猫・多多(ドゥオドゥオ)だけだった。
そんな彼女の静かな才能を、一人の日本人青年・拓海が見つけ出す。
「君のその優しい手が、猫たちを守っているんだね」
不器用な自分も、猫への愛情も、すべてを肯定してくれる彼。
台北と京都、海を越えた遠距離恋愛を経て、拓海は莉華にプロポーズ。
「京都で、僕たち5人家族になろう」
しかし、その約束の前に立ちはだかったのは、非情な現実だった。
日本の厳格な動物検疫に伴う「180日の待機期間」。そして、追い打ちをかけるように発覚した多多の重い心臓病。
「飛行機に乗せれば、この子の心臓は止まる。でも、置いていけば二度と会えない……」
愛する彼との未来を掴むために、愛する猫の命を危険にさらすのか。
極限の選択を迫られた莉華は、世間から「男のために猫を捨てる冷酷な女」と批判を浴びることを引き受け、
多多を台湾の信頼できる里親に託すという、身を切るような決断を下す。
そのあまりにも重い罪悪感、引き裂かれるような別れの絶望を、拓海は決して莉華一人には背負わせなかった。
「その傷は、僕も一緒に背負う。君を悪魔になんてさせない。僕たちが選んだ道だ、一緒に泣こう」
拓海は彼女の震える肩を抱き、共に涙を流し、血を流すような別れの苦しみを正面から分かち合う。この凄絶なまでのプロセスを経て、
二人は単なる「守り、守られる恋人」から、互いの業を背負い、痛みを共有する「本当の家族」、そして揺るぎない「人生の共同経営者」へと昇華していく。
本作は、誰かの顔色を窺うだけだった一人の女性が、愛する命のために自ら泥をかぶり、
痛みを分け合える最高のパートナーと共に「自分だけの幸せ」を掴み取るまでの極めて感動的なロマンス。
そして異国の地・日本で、言葉の壁に泣く外国人飼い主とペットたちを救う『グローバル・キャットコンシェルジュ』として起業し、
自らの手で運命を力強く切り開いていく逆転ヒロイン・莉華の始まりの物語である。
二人の絆が「覚悟」に変わったとき、逆転劇の幕が上がる。
第1話 / 三千キロの彼方から、私を見つめる王様の瞳