婚姻届を出した翌日、彼は七年分の溺愛を解禁した 「捨てられた令嬢が財閥に拾われたら、総裁は七年間ずっと待っていたらしい」
Eriko Iwasa
恋愛現代恋愛
2026年02月24日
公開日
5.4万字
連載中
幼い頃に取り違えられ、暴力と無関心の中で育ち、二十歳になってようやく宮本家に迎えられた。しかし待っていたのは、家族の愛ではなかった。偽物の妹に向けられる溺愛、道具として扱われる日々、そして家の利益のために押しつけられた縁談。
限界を超えた日、玲はすべてを断ち切った。
婚約者と別れ、家族と縁を切り、そして——見知らぬ男の婚姻届に、名前を書いた。
相手は、結城律。
東京屈指の財閥グループ総裁。冷徹で近寄りがたく、スキャンダルとは無縁と言われる男。
なぜ彼が自分を選んだのか、玲にはわからなかった。
名義だけの結婚のはずだった。
互いに干渉しない、ただそれだけの契約。
けれど彼は、玲が気づかないうちに、そっと傘を差し出していた。
仕事の危機には、声も出さずに手を回していた。
眠れない夜には、ただ隣に灯りをともしていた。
やがて玲は気づいてしまう——結城律は、今に始まったことではないと。
高校時代から、彼はずっと玲のことを見ていた。
願いを込めた絵馬には、自分の願いひとつも書かず、ただ一言だけ残されていた。
「彼女の全ての願いが叶いますように」
溺愛は、静かに、でも確実に、玲の世界を塗り替えていく。
これは、捨てられた女が自分の足で立ち上がり、
ずっと待っていた男に、ようやく気づく物語。