ヤンデレ双子の御曹司に同時に執着され、二人の囚われの宝物にされた私――逃げる?双子くらい、余裕ですけど?
涼
恋愛現代恋愛
2026年03月09日
公開日
3.4万字
連載中
月島柚葉の人生は、少しずつ味を失っていく出汁のようだった。
企画は先輩に盗まれ、逆に「後ろ盾がないからだ」と人前で疑われる。
家では母が、自分の不幸な結婚生活をなぞるように語り続け、「ちゃんとした相手を見つけなさい」と彼女を追い詰める。
そんな疲れきった雨の夜。まるで救いのように、二人のまったく異なる男が彼女の前に現れた。
銀座のバーで働く、どこか気だるく神秘的なバーテンダー。危ういほどの甘い距離感で、彼女に逃げ場を与えてくれる男。
そして、帝大医学部に通う完璧な優等生。冷静で理知的な共感を示し、彼女の思考に寄り添ってくれる男。
柚葉は思った。
ようやく、自分にも光と浮き木が差し出されたのだと。
――だが。
彼女が目を覚ましたのは、京都の百年続く料亭の静かな茶室だった。
手首には、ほどけないほど美しく結ばれた細い紐。
そして、かつて胸をときめかせた二人の男が、並んで正座していた。
穏やかな微笑みを浮かべながら、彼らは静かに告げる。
それは数か月にわたって続いていた、完璧な計画。
名付けるなら――「囲い込み」。
二人は彼女の弱さも、渇望も、すべて見抜いていた。
そして彼女のために、この逃げ場のない美しい檻を用意したのだった。