異母姉に母は愛人の子だとデマを流され長年いじめられた私、最年少ワイドボディ機長と電撃結婚したら姉も彼を好きだった
涼
恋愛結婚生活
2026年03月11日
公開日
1.9万字
連載中
蒼依のこれまでの人生は、あまりにも理不尽だった。
父は再婚して、それきり姿を消した。
異母姉は中学の頃から社会人になるまで彼女をいじめ続け、陰で噂を流し、表では圧力をかけ、ついには家のコネまで使って彼女の職場にまで手を回した。
蒼依は一人で十年以上それを背負ってきた。慣れてしまったし、もう争う気力もなかった。
――あの人と結婚するまでは。
天羽凌央。
瑞穂航空で最年少のワイドボディ機長。
十年間、密かに想い続けてきた人。望んではいけないと思っていた相手。
彼が見合いを申し込んだ理由は、恋愛感情ではなかった。ただ、長い恋愛の過程に時間をかけたくなかったから。
それは蒼依にも分かっていた。
それでも、彼女はうなずいた。
けれど――
彼が人前であんなことを言うとは思わなかった。パーティーの席で、皆の前でこう言ったのだ。「空の上では、俺は彼女の言うことを聞く」
友人が彼女に絡んできたときも、彼は茶を差し出してただ一言。「くだらないこと言うな。飯を食え」
蒼依が何も言わなくても、彼はすべてを調べ上げた。そしてあのオフィスに乗り込み、彼女を傷つけた人間たちを一人ずつ追い詰めていった。
「彼女が謝れと言うなら、謝れ」
「もう彼女に近づく資格はない」
長年彼女をいじめてきた姉は、最終的に処分を受けて大阪から異動。
父も自ら関係を切り、彼女の周囲の人間関係は一夜で崩れ去った。
長い間、蒼依の人生に影を落としていた古い傷は――その夜、静かに終わりを迎えた。