元夫が偽装死して愛人と再婚し、義母に「夫を殺した女」と罵られ——振り向いた瞬間、彼の財閥トップの親友に「奥様」と呼ばれた
眠り人形
恋愛結婚生活
2026年03月24日
公開日
3.3万字
連載中
私は藤原詩織。「亡き夫」の通夜で、義母の平手打ちと「夫を不幸にする女」という呪いが、藤原家から私への最後の「贈り物」だった。
前夫が「航空事故で死亡」した後、彼の親友であり、跡部財閥の後継者である男が、通夜の裏手の影で私を呼び止め、指輪を差し出した。
「彼は愛人の出産に付き添うために偽装死した。俺を選べば、あいつに与えられなかったすべてと、復讐する力をやる」
私は跡部詩織になった。
彼は私を、かつて立ち入りを禁じられていたパーティーへと連れて行き、私の名前を招待状に刻んだ。噂が広がると、跡部家で最も発言力のある老夫人に私の手を取らせ、わざわざ来たメディアに向かってこう言わせた。「この子は、私が認めた孫の嫁です」
そして——
「亡きはずの夫」が新たな結婚披露宴に乱入し、東京の社交界の半分を前に、私を指差して権力にすり寄る女だの、結婚を裏切っただのと罵った。
私は言い返さず、ただ制御卓に軽く頷いた。
最初の音声は、彼が愛人と偽装死を計画し、騒ぎが収まったら私を「始末する」と話しているもの。
二つ目は、彼が母親と、私が「見限られた」後にすべてを吐き出させる計画を立てているもの。
最後に、スクリーンにDNA鑑定書【親子関係を否定】と、その子どもの写真が並んで映し出された。
会場は凍りついた。
そのとき、跡部原が私の隣に立ち、マイクを手に取った。
「本日をもって、藤原家は跡部家の社交圏から永久に排除する」
場内は静まり返った。
跡部原は私のそばに立ち、マイクを取った。
「この瞬間より、藤原家は跡部家と一切の関係を持たない」
やがて——軽井沢。
朝の光の中で、彼はあの指輪をもう一度、私の指に嵌めた。
「契約はここで終わりだ」
彼は視線を落とし、私の指先に口づけた。
「これからは、婚約だ」