誘拐され彼氏が犯人に「好きにヤれ」と言い放った私——犯人の頭に取り入ったら極道の大物で「お前は俺の一線だ」と言われた!?
パァン!
恋愛現代恋愛
2026年03月24日
公開日
3.6万字
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誘拐されたあと、私を買った男が、私の唯一の庇護となった。
私は誘拐された。犯人は彼氏に電話をかけ、身代金を要求した。
電話の向こうでは、女の甘い笑い声が聞こえ、彼は苛立った声で言った。
「また騒いでるのかよ、誘拐?金はやるから、好きに遊んどけ」
その瞬間、人生は終わったと思った。
——あの男が現れるまでは。
「お前は、俺が買った。これからは、俺のものだ」
九条龍之介。その名は、東京の闇のルールを意味する。
彼は私を犯人の手から連れ出し、雲上のマンションへと連れて行き、ルールを教えた。
彼の顔色の読み方、パーティーでの笑い方、警察に「自分の意思です」と言う方法。
「覚えがいいな」
そう言って私の顎を掴み、警告する。
「だが、覚えすぎるな。つまらなくなる」
彼は素手で人の腕を折ったこともあり、私が何気なく口にしたいちごミルクも覚えていた。
元彼が人前で跪いて求婚したとき、私は日本酒の徳利を取り、九条の杯に満たした。
彼は弔いの酒を地面に叩きつけ、会場に宣言した。
「こいつは、俺の一線だ。越えたやつは——殺す」
私の個展は六本木で話題になった。帰りの車で、私は疲れてうとうとしていた。
彼が低く言う。
「婚姻届は書いておいた。“九条琉璃”、気に入ったか?」
私はペンを受け取り、「妻」の欄にその名前を書いた。
それ以来、白鳥琉璃には帰る場所ができ、九条龍之介には家族ができた。