服役した日、彼は別の女と結婚式を挙げていた。6年後、出所した私に彼はやっと「愛してる」と言った――余命宣告の翌日に
れいあ
恋愛現代恋愛
2026年03月24日
公開日
3.4万字
連載中
判決の日、法廷の窓越しに、遠くで結婚式の風船が舞っていた。
白金透哉の結婚式と、私が服役する初日が、同じ日だった。
私は冤罪だった。
だが、誰も信じてくれなかった。
六年のあいだ、ただ生き延びることだけを考え、あの暗く冷たい場所で息をつないでいた。
外の世界では、私を捨てたあの人が幸せに暮らしていると、わかっていながら。
出所した日、東京の空は残酷なほどに青かった。
失ったものは数えきれない。
愛した歳月も、信じた未来も、自ら差し出した身体の一部さえも――
それでも私は前に進みたかった。
ようやく、自分のために生きてみようと思えたのだ。
けれど、彼が現れた。
まるで別人のような顔で、震える声で、六年分の後悔を背負って。
「愛している」と、彼は言った。
――私に、その言葉を受け入れるだけの時間が、まだ残されているかも知らずに。