叔父に殺された私が転生して最初にしたことは、彼の初恋女に電話することでした――さようなら、十五年分の片想い
ミント
恋愛現代恋愛
2026年03月26日
公開日
2.8万字
連載中
前世の私は、叔父・植原咲也をあまりにも愛していた。
彼が薬を盛られたあの夜――
本来かけるはずだった初恋女への電話を、手に握ったまま発信しなかった。
彼を愛していたから。
彼のそばにいたかったから。
たった一度でいい、自分が彼のものになりたかったから。
その代償は、想像をはるかに超えるものだった。
望まぬ結婚。
冷たい視線。
何度も何度も「全部お前のせいだ」と突きつけられる言葉。
そして最後には――
出産の陣痛に苦しむ私を地下室に閉じ込め、背を向けて去っていったあの男の姿。
転生した瞬間、前世の記憶が一気に押し寄せてきた。
私は立ち上がり、階下には行かず、スマホを手に取った。
一秒の迷いもなかった。
「花谷さん、叔父様が今あなたを必要としています。すぐに来てください」
電話を切り、部屋に戻る。
机の前に座り、リストを書き始めた。
海外留学の申請書類。
両親が残した銀行口座。
解約すべき電話番号。
涙は出なかった。
恐れもなかった。
未練もなかった。
なぜなら前世で、一生分の感情はすべて使い果たしてしまったから。
叔父様、私はもうあなたを愛していません。
これが今世で、私が自分に立てた、たった一つの誓い。