夫に三年間こき使われた専業主婦ですが、離婚を機に彼の初恋と組んで会社を立ち上げたら、なぜか彼より成功してしまいました
えだまめ
恋愛結婚生活
2026年03月30日
公開日
4.2万字
連載中
結婚三周年の夜、夫は別の女の涙を拭っていた。
私はそのわずか二メートル先に立ち、階段から転げ落ちた。
救急車の中で意識は次第に遠のいていく。
最後に聞いたのは夫の声――電話の向こうの誰かを慰める、これまで一度も私に向けられたことのない、あまりにも優しい口調だった。
病室で目を覚ますと、窓辺に花は一輪もない。
三日後、ようやく現れた夫の第一声は――
「さっさと退院して、家の片付けをしてくれ」
――なるほど。
この三年間、私はただ彼にとって都合のいい道具に過ぎなかったのだ。
目覚めたのは、体だけではない。
一本のボイスレコーダーが夫の口を封じ、上品な笑みを浮かべる姑の手からは二千万を強引に取り返し、職場での締め出しも弁護士の書面で真正面から打ち破る。
そして最後に残ったのは――
夫が二十年も忘れられなかった初恋の女と築く、不思議な共闘関係だった。
本来は敵であるはずの女が、最も信頼できるパートナーとなる。
奪われるはずだった未来が、最も輝く舞台へと変わる。
そして夫は――ようやく気づき始める。
自分が、この手で何を手放してしまったのかを。