悪役令嬢に転生したので、破滅回避のため義兄を落とします
Rain
恋愛現代恋愛
2026年04月08日
公開日
9,848字
連載中
井上華は、気づけば“御曹司×溺愛”系ラブ小説の悪役令嬢に転生していた。
しかも結末は――名誉失墜の末、異国で惨死というバッドエンド確定。
こんな人生、認められるわけがない。
ならば――運命ごと、ひっくり返してやる!
なぜか周囲のイケメンたちは次々と好意を押し付けてきて、
気づけば自分が“隠れモテヒロイン”なのではと勘違いしそうに……?
華はそれを遠慮なく受け取り、甘えて、揺さぶって、しっかり回収。
――稼げるものは全部いただく主義です!
一方で、夫は愛人と堂々の不倫三昧。
人前でも裏でもイチャつき放題で、彼女のことはまるで空気扱い。
……いいわ、そっちがその気なら、こっちもやり返すだけ。
華が狙いを定めたのは、
この物語で最も危険な男――
夫の兄にして、井上家を裏から支配する真の当主・井上樹。
夜明け前、ほのかに肌をのぞかせながら彼のベッドに座り、
目尻を赤く染めて涙をこぼす。
「お兄様……責任、取ってください」
冷ややかな眼差しの彼は、すべてを見抜きながらも何も言わない。
――そして後日。
彼はホテルの一室で彼女を壁際に追い詰め、
鎖骨に軽く歯を立てて囁いた。
「俺と手を組みたいなら――お前は俺のものだ」
自分が仕掛けているつもりだった。
けれど気づいていなかった――
獲物はとっくに、狩人の仮面を見抜いていたことに。
やがて、元夫やかつての男たちは井上家の屋敷の前に跪き、復縁を懇願する。
人気アイドルは言う。
「君のために公表してもいい。戻ってきてくれないか?」
元夫は目を赤くして彼女の手を掴む。
「どうしてだ……俺のことが一番好きだったはずだろ?」
――その瞬間。
強く引き寄せられ、彼女はある男の腕の中へ。
井上翔太は彼女を抱き寄せ、結婚届を放り投げて告げた。
「――姉さんと呼べ」
「兄貴、彼女は俺の妻だぞ!」
「“だった”な」
低く呟き、彼は彼女の腫れた唇に指を這わせる。
「今は――俺のものだ」