姉に無理やり身代わりとして財閥に嫁がされ――さらに代理で妊娠までさせられたのに……最後は彼女の夫を奪いました?!
発芽糖めぐ
恋愛現代恋愛
2026年03月31日
公開日
3万字
連載中
「姉に無理やり、財閥の男の子を身代わりで身ごもれと言われた。
私は避妊薬を用意して行った――ついでに、彼女の男も奪ってやろうと思って。」
白河莉子、城戸家の私生児。
姉とまったく同じ顔をしているのに、その人生は天と地ほど違っていた。
姉・城戸真帆――名媛、才女、財閥に嫁ぐ予定の女。
彼女は――女中で、身代わりで、母の遺影さえ取引材料にされる道具。
そんな彼女を、姉は桂木奏の部屋へ押し込んだ。
「私の代わりに受胎してきて。成功すれば自由にしてあげる」
莉子は中へ入った。
だが彼女に、子どもを産むつもりはない。
必要なのは、城戸家を離れるための機会だけだった。
――のに。
彼女の奏でる箏の音は、財閥の御曹司の不眠を治し、
彼女の描いた日本画は、寿宴の場を静まり返らせ、
彼女の残した録音は、姉が仕組んだ罠をその場で暴き、
彼女が何気なく青梅の甘露煮が好きだと言えば、翌日にはそれが部屋の前に置かれていた。
そして彼女はまだ知らない。
七日目――桂木奏は白沢に命じていた。
「別邸にいるあの女が誰なのか、調べろ」
調べはついていたが、彼は彼女を暴かなかった。彼女が自分の口で話すのを待っていた。
そして彼女がすべてを話し終えたあと、彼は立ち上がり、書斎の灯りを一段落として言った。
「城戸真帆の件は――俺が処理する」