三年間、夫が全財産をかけて探した天才デザイナーは、捨てた妻でした
えだまめ
恋愛結婚生活
2026年04月07日
公開日
2.1万字
連載中
夫の帰国当日、白川亜月は離婚を切り出した。
結婚三年。
夫は海外で幼馴染と過ごし、義母の七十二か条の家訓、家族の借金、弟の裁判——すべてを一人で抱えた。
誰にも言わなかった。
ただ、毎晩デスクの前に座り、筆を走らせた。
その間、夫の会社は「どんな条件でも構わない」と、ある天才デザイナーを必死で探し続けていた。
その名前は「白波」。
夫は知らなかった。
自分が三年間、同じ屋根の下で眠っていた女が、世界中が探していたその人だということを。
愛されなかった時間は、すべて作品になった。
踏みにじられた才能は、世界の舞台へ向かった。 そして彼女は、静かに扉を閉めた。
――遅すぎた「ごめん」は、もう届かない。