継母と妹に『精神病』とでっちあげられた私、気づけば彼女たちの主治医に――そして謎の財閥御曹司は、私の最重要共犯者になった
Vanilla
恋愛現代恋愛
2026年04月08日
公開日
3.3万字
連載中
赤司玲奈の人生は、母の「事故死」――転落事件を境に、急転直下した。
父は再婚し、優しげな仮面の下に冷酷な打算を隠す継母が家に入り込む。異母妹は彼女の恋人を奪い、社交の場では幾度も彼女を辱めた。
やがて一枚の「情緒不安定」という診断書が、玲奈を「上品さ」で名高い私立療養施設――青葉学園へと送り込む。
そこでは「正常であること」が唯一の課題であり、いかなる反抗も「症状の悪化」とみなされる。
母が遺した茶道の老舗「桔梗屋」の継承権も奪われ、送別の席で、異母妹は彼女に「安神香」を贈る。
「昔、おばさまに差し上げたのと同じものよ。お姉さまも、どうか安らかに」
――その言葉は、あまりにも露骨な嘲笑だった。
誰も知らない。
彼女が青葉学園で、ただ一人――その完璧な仮面を見抜いた男、柏木悠真と出会っていたことを。
そして誰も知らない。
そのどこか突き放したような男が、やがて彼女に、すべての偽りを切り裂く“刃”を差し出すことになるとは。
玲奈は配信のカメラの前で、静かに再生する。
継母による殺害計画の、決定的な証拠を。
その瞬間、名家は震撼した。
嵐が過ぎ去ったあと――
傷だらけとなった「桔梗屋」は、静謐な美術館へと生まれ変わる。
開幕前夜。
窓の外には、やわらかな夜の気配。
柏木は彼女の手を取り、静かに言った。
――新作ゲームの企画なんだ。
廃墟の上に、どうやって庭を育てるか、っていう。