タマネギ
恋愛現代恋愛
2026年04月09日
公開日
3.4万字
連載中
鷹司椿が必死に救い出したのは、祖伝の壊れた茶碗――「幻の盃」だけだった。
目覚めれば、世界は一変。
夫・橘慶太と愛人の甘い笑顔がSNSに拡散され、双子の子どもは「ママの心には壊れた茶碗しかない」と言い放つ。
鷹司家は「体面を守る」と言い、私の帰宅を拒む。
そして恐ろしいことに、あの火災は偶然ではなかった――茶屋の資金横領、虎との裏取引、誰かの陰謀が私を狙っているのだ。
全てを失い、行き場もなく、かつての京都茶道名門の華は、世間の哀れみや嘲笑の的に。
そんなある雨の夜、「黒沢修羅」と名乗る男が手を差し伸べる。差し出されたのは、哀れみではなく――一枚の「茶道顧問」の契約書だった。
嵯峨野の深い邸宅に身を寄せ、彼女は初めて知る――これが再生の始まりであり、裏切った者たちにとっての悪夢の序章となることを。