十年の結婚――夫と息子が「怜奈ママと暮らしたい」と言った瞬間、私の人生が完全に逆転した!
パァン!
恋愛結婚生活
2026年04月24日
公開日
3.7万字
連載中
離婚届に署名したとき、京都の雪は東京と同じくらい冷たかった。
夫は「真実の愛を見つけた」と言い、十歳の息子までも、あの女の示唆で私の手を避け、小さな声でつぶやいた。
「怜奈ママと一緒に暮らしたい」
私は結婚も、母としての資格も失ったように思えた。
ひとり、揺れ動く実家の老舗に戻ると、目の前には病床の父と、厳しい視線を送る周囲の目。
あの頃の京都の夜は、長く冷たく、永遠に明けないかのようだった。
その時、金髪碧眼のフランス人建築家が工房に現れ、古い染め布を指差して言った。
「この織り目の中に、風の音がある」
彼が見たのは、もはや「神谷家の離縁妻」ではなく、綾瀬静流その人だった。
後に私は彼と腕を組み、国際展示会に登場し、家業をかつてない高みへと押し上げた。
嵐の夜、元夫が乱暴にドアを開けると、そこにあったのは、温かな灯の下で新生した私の静かな姿だった。
彼は赤い目で叫んだ。
「本当は俺たちが家族だ!」
私はただ茶を差し、隣の婚約者に微笑む。
「雨もやんだし、見送りましょうか」