財閥の職場で完璧な仮面をかぶる私が、まさか会長にプロポーズされるなんて…?
はなやひ
恋愛現代恋愛
2026年04月27日
公開日
3.9万字
連載中
神山信の秘書として、私は彼のさまざまな顔を見てきた――交渉の席での鋭さ、家族の圧力に沈む沈黙、そして……誰もいないときに見せる時折の疲れた表情。
彼は言った。「君は、俺の最も優秀な“共犯者”だ」と。
私たちの恋は、京都で二人を閉じ込めた雨の日から始まり、無数の深夜残業を経たマンションでひっそりと育まれた。しかし、守るべき“絶対低調”のルールは厳しかった。並んで歩くことも、長く視線を合わせることも、同じ家に住むことさえ許されない。
それでも、世界中で私が恥をかく瞬間、彼は真っ先に外套で私を抱き寄せる。たった一言の「好き」のために、不器用に焦げた誕生日ステーキを作る。商業的利益を犠牲にしてでも、私の無実を守る。
「これは“汚点”だ」と彼は抱きしめながら言った。「でも、君のためなら価値がある」
一年の観察期間が終わる日、再び京都に雪が降った。昨年同じ旅館で、彼は跪き、あまりにも遅すぎたプロポーズを果たした。
桜の季節、私は神山家の古い神社で白無垢をまとい、「三三九度」の杯を交わす。
彼は私に指輪をはめ、花びら舞う中でキスをし、低く囁く。「俺の妻、神山由紀」と。
隠れた“共犯者”から、陽の下で堂々と名乗れる“神山由紀”へ――最上級の甘々は、彼が全てをかけて私に名誉を与えてくれることだった。