スリーバック『バッグを売りに来たら、未来を卸す彼がいた』
行動哲学
現代ファンタジー都市ファンタジー
2026年05月04日
公開日
7,851字
連載中
失恋直後、思い出のバッグを売ろうと訪れたのは、
“高級バッグ卸売業”のオフィスだった。
地図アプリの誤操作で、私は買取店と勘違いして迷い込んでしまったのだ。
ガラス張りの一階、ショールームのような空間。
場違いな私に、スタッフは困惑する。
そんな中、奥から現れたのは海斗。
夜の世界で名を馳せた男でありながら、
昼はスーツ姿で働く“判断のヒーロー”。
彼は私のバッグを手に取り、
傷、重さ、取っ手の摩耗から“私の歴史”を読み取った。
「お嬢様、あなたは自分の『歴史』を売りに来たつもりですか?
……残念ながら、うちは過去を買い取る場所ではない。
未来を『卸す』場所だ。」
その一言で、胸の奥が揺れた。
バッグ文明が根付く異世界日本で、
バッグは“人生の器”であり“未来の契約書”でもある。
誤解から始まる、現代悪役令嬢ロマンス。
海斗の判断とフォローが、私の未来を静かに書き換えていく。