破産した私は利息代わりに彼を指名したのに、彼は私の土地に新居を建てると言い出した
Memo
恋愛現代恋愛
2026年05月05日
公開日
4.6万字
連載中
家族が破産し、口座も凍結された新垣凛は、最後の十万円で銀座のNo.1ホスト・柏木月を指名した。
一夜で散財した彼女に残されたのは、“利息”だと言われたピカピカのステンレスたわしだけ。
行き場を失った彼女は、失業中だと名乗る月を家に置くことにした。
彼は従順で気が利き、擦り切れた靴を丁寧に磨き、雨の夜には傘を彼女に差し出して自分はびしょ濡れになる。
凛は次第に心を許し、絶望の中で見つけた唯一の温もりだと思い始めていた。
――だが、取り立て屋が押しかけてきた時。
エプロン姿の彼は彼女の前に立ち、ブラックカードを一枚差し出す。
「彼女の借金は、柏木グループが引き受ける」
さらに、彼は優しく身をかがめ、指先で彼女の額を軽く叩いた。
「それと――この土地、俺たちの新居にしないか?」
その瞬間、新垣凛はようやく気づく。
自分が拾ったはずの哀れな“白い花”は――
獲物のふりをした、頂点の捕食者だったのだと。