Crabapple
恋愛現代恋愛
2026年06月30日
公開日
2万字
連載中
「――離婚してくれ」
その一言で、七年の結婚生活は崩れ落ちた。
月島結月は、記憶を失った夫・月島光帆を支え続けてきた。事故後の彼を看病し、月島家の妻として完璧に振る舞い、すべてを捧げてきたはずだった。だが病院の救急フロアで彼女が見たのは、別の女・陽菜とその子どもを必死に守る夫の姿だった。
「君の血が必要だ。彼女を助けてくれ」
その言葉で、結月はすべてを悟る。自分は愛されてなどいなかった。ただ都合よく使われていただけだったのだ。
「……そう。なら離婚しましょう」
静かな宣告とともに、物語は崩壊と逆転へ動き出す。
翌日から月島家は彼女を排除しようと動き、光帆は執着と支配欲を剥き出しにして結月を縛ろうとする。さらに陽菜の存在が、七年前の事故と“失われた記憶”の裏に隠された真実を暴いていく。
なぜ彼は記憶を失ったのか。なぜ彼女だけが妻だったのか。そして、すべては誰の仕組んだ罠なのか。
追い詰められた結月の前に現れたのは、かつて彼女の人生から消えた男・安藤悠生だった。
「今度こそ、君を守る」
彼の登場で、月島家の支配構造は崩れ始める。偽りの婚姻、隠された契約、歪んだ愛情が次々と暴かれていく。
捨てられた妻はもう泣かない。
愛に裏切られた女は、今度は“選ぶ側”として立ち上がる。
裏切りと復讐、そして救済が交錯する中、最後に勝つのは愛か、それとも真実か――。