胃がん、契約結婚、離婚カウントダウン――でも、私の主治医がプロポーズしてきた
OEC
恋愛現代恋愛
2026年05月19日
公開日
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連載中
結婚三周年の記念日、春野和景は胃がんステージ3の診断書を手にした。
電話の向こうでは、夫・秋野源が“インスピレーションのミューズ”と遊園地で笑っていて、背景には花火が舞う。
そして彼は言った。「自分で処理して」
40度の高熱で一人救急車を呼んだ夜も、彼は別の女性と夏祭りを楽しむ。
胃がんの手術当日、彼は愛人のために盛大な作品発表会を開催していた。
和景は契約で買われた妻で、彼の体裁を保つ道具であり、永遠に最後の選択肢に過ぎなかった。
それでも、彼女は平静に手術同意書にサインし、ノートに“死ぬ前リスト”の第一項を書き込む――
「死ぬ前に、秋野源と離婚する」
違約金の計算を始め、大金の準備を整えたその時――男の方が慌てた。
そして、ずっと冷静に手術同意書を差し出し、化学療法を共に乗り越え、
新生のホテルの星空の下でそっと寄り添ったのは――
主治医・森山透だった。
「和景、僕と一緒に、“結婚”の意味をもう一度定義してみないか?」
胃がんから愛される日まで、彼女は三年かけて地獄を抜け、余生を星の光に抱かれて生きることになった。