契約結婚の後、上司の秘蔵コレクションが全部私だったことに気づいた
川星
恋愛現代恋愛
2026年05月20日
公開日
3.4万字
連載中
結婚前夜、桜林奈は匿名の小包を受け取った。
中には、婚約者・高橋亮と見知らぬ女性が旅館で抱き合う写真と、今日の日付の部屋のカードが入っていた。
震える手で扉を押すと、彼は抱きかかえた女性に向かって言った。
「明日の披露宴は林奈だ。入籍届は先に君と出す。君は俺の子を妊娠している」
十年の関係――すべて、彼女一人の笑い物だった。
彼は「大人しく」婚礼を演じ、体面を守らせるだけだった。
絶望の中、林奈は最も恐れていた番号に電話をかける――
厳格で手厳しい上司、福源司に。
「専務、契約結婚の相手が必要ですか?明日一日の婚礼だけで構いません」
彼は承諾した。ただし条件は苛酷。
翌日、遅れて到着した新郎が見たのは――
神前で誓いを立てる彼の上司の腕に抱かれた新婦、林奈だった。
福源司は静かに婚姻届受理証明書を差し出す。
こうして、林奈は彼の法的な妻となった。
同居生活は、互いに冷たい「氷」のような距離感で続く――
だが、ある日、彼女が書斎の鍵付き檀木の箱を開けると、そこには長い時を越えて収められた、彼女に関する秘密がぎっしり詰まっていた。