離婚したら“世界一危険な男”に見初められた私の新しい人生
南山
恋愛現代恋愛
2026年07月02日
公開日
2万字
連載中
結婚三年目の夜、夫・西塚辰平はスイートルームで冷たく告げた。
「離婚しよう」
ベッドには乱れた痕跡、知らない女の気配。清佳はすべてを理解する。自分は愛された妻ではなく、スキャンダルを隠すための“飾り”だった。
翌日、彼女は赤いドレスを着せられ記者の前へ立たされる。
「昨夜の女性は誰ですか?」
フラッシュの中、辰平は清佳の腰を抱き寄せて微笑む。
「妻です」
——嘘をついているのは、いつも彼だった。
その裏で辰平は亡き幼なじみ・千恵の死を清佳のせいだと信じ、彼女を責め続ける。同時に複数の愛人を家に呼び、清佳に後始末を押し付ける。祖母の高額医療費を盾に、彼女は抵抗すら許されない。
「出て行けるのか?金もないくせに」
それでも清佳は耐えていた。
だが母の遺作がオークションに出された夜、限界が来る。
「もう終わりにする」
彼女は離婚届にサインし、西塚家を去った。
一か月後、政略結婚の相手・北川隼人は初対面で告げる。
「祖母の治療費は俺が出す。返さなくていい」
その一言で清佳は救いを知る。
同じ頃、辰平は彼女の不在に気づき始める。空になった部屋、返ってこない連絡。
——失ったのは“妻”ではなく“世界”だった。
しかし、もう遅い。
清佳はもう振り返らない。