彼は愛してないと言ったのに、結婚したら夢中になってしまった
サカナ
恋愛現代恋愛
2026年06月15日
公開日
18.2万字
連載中
元カレに浮気され、市川紗和の父親が彼女に見合いの話を持ちかけた。
「相手は家柄が良くて、背が高くてイケメンの一人息子だ。結婚すれば八桁の結納金、二ヶ月以内の妊娠で一億円ボーナス、子供を産めば当主の妻として莫大な財産を手にできる」
紗和は承諾した。
相手は余命三ヶ月の大富豪・五十嵐陸斗。
彼と婚姻届を提出した。
結婚した後、陸斗は紗和の嘘くさい甘い言葉が大嫌いだった。
彼女の作り笑顔も、計算高さも、全てが見え透いていた。
「離婚しろ」
「私は一生添い遂げるつもりで結婚したの」
紗和は平然と嘘をついた。
ところが――ある日を境に、彼女はぱったりと陸斗を誘惑しなくなった。
逆に陸斗の方が彼女を追い詰めるようになる。
「紗和、俺を誘ってみせろ」
「……」
「命だってやる」
そう言って彼は彼女を強く抱きしめた。
いつも冷静だった男が、初めて激しく感情を揺さぶられた。
その相手は、彼が見下していたはずの偽りの女だった。
理性は崩れ去り、代わりに抑えきれない衝動だけが彼を支配した。