生まれ変わった私は元夫の弟に嫁ぎ、彼はその場で呪いを吐いた
風風クロワッサン
恋愛現代恋愛
2026年06月08日
公開日
3.8万字
連載中
望月桜鈴は、結婚式からわずか三か月後に命を落とした。
華族の名門・瀬名家の御曹司である夫、瀬名陸は、自らの手でヘリコプターの安全ロープを切り落とし、彼女を氷のように冷たい湾へ突き落としたのだ。
そして、“清純派”として誰からも愛されていた妹は、その瞬間も陸の腕の中で寄り添いながら、すべてを見届けていた。
――次に目を開けたとき。
桜鈴は、両家が集まり、自分と陸の婚約について話し合っていた日の朝へと戻っていた。
父と母は家のため、そして妹の将来のために「少しだけ我慢してほしい」と懇願する。妹は愛らしく微笑みながらお茶を注いでいたが、その瞳の奥には隠しきれない優越感が滲んでいた。
さらに妹のスマートフォンには、陸からの親しげなメッセージが次々と届いている。
すべては前世と同じだった。
再び地獄が始まろうとしていた。
――その時だった。
桜鈴のもとに、一通のメールが届く。
差出人は、瀬名家で長年冷遇されてきた養子であり、戸籍上は彼女の「叔父」にあたる男――瀬名歩。
彼はその一族が隠し続けてきた、最も醜く恐ろしい秘密を知っていた。
瀬名家の男子は皆、三十歳の誕生日を迎えると身体に異常な変化が現れる。
それは代々受け継がれてきた呪いにも等しいものだった。
メールの最後には、こう記されていた。
『晴香さんでは陸を救えません』
『ですが、あなたなら自分を救えるかもしれない』
『そして……どうか、私も救ってください』
桜鈴はゆっくりと顔を上げた。
驚きに包まれた家族の視線を真正面から受け止めながら、はっきりと言い放つ。
「婚約をお受けします」
誰もが安堵しかけた、その瞬間。
桜鈴は静かに続けた。
「お相手は――瀬名歩様です」
その場の空気が凍りついた。
そして数年後。
妹と陸が豪華絢爛な結婚式を挙げたのと同じホテルで、桜鈴と歩の披露宴が開かれていた。
順風満帆な人生を歩んでいるはずの陸は、突然会場で桜鈴に詰め寄る。
しかし桜鈴は動じない。
ただ静かに、彼の首筋から襟元へと広がる紅い痣を見つめて微笑んだ。
「陸さん――襟元、もう隠しきれていませんよ」
その一言で、陸の顔色が変わる。
会場がざわめく中、瀬名歩は変わらぬ穏やかな表情で桜鈴の隣に立った。
そして招待客たちへ、さらには集まった報道陣へ向けて落ち着いた声で告げ