目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報
親友に妨害され、香りを感じられなくなった私は、京都で最も高価な調香師になりました
親友に妨害され、香りを感じられなくなった私は、京都で最も高価な調香師になりました
ほしめぐり
恋愛現代恋愛
2026年06月08日
公開日
3.5万字
連載中
月海七海の婚約披露宴は、まさに彼女の公開処刑場となった。 わずかに嗅ぎ取れない「不浄」と呼ばれた香りを理由に、茶道の師匠から公然と除名され、高嶺家は即座に婚約を解消した。さらに親友であり、一条屋の後継者である一条葵は、彼女の社会的評価を粉々にする「祝福の香袋」を手渡しながら、静かにこう諭した。「京都を離れなさい」 たった一夜で、注目を集める予定の新婦は、伝統界から避けられる「汚点」となった。月海七海はカプセルホテルに身を縮め、テレビに映る前婚約者と親友の結婚発表を見ながら、指先で掌を深く押し握った。 そんな中、隠遁していた調香師は彼女に告げた。「君の鼻は欠陥ではない、才能だ」 数年後、全国調香師大賞の決勝戦。月海七海はベールを外し、カメラの前と満席の名士たちに向け、あの秘蔵の録音を再生した。 一条葵のヒステリックな悪行が公になり、高嶺樹は記者会見で頭を下げ謝罪、家族と一条家の婚姻契約は完全に破棄された。 そして「嗅覚の森」周年展。 彼は全財産を差し出して、彼女に「試用期間のパートナー」として関わる権利を求めた。 月海七海はそのうちの一つの鍵を手に取り、彼を見上げて言った。 「他のことは……あなたの実力次第ね」

第1話 披露宴の穢れ

loading