冤罪で服役した私、財閥の車椅子の御曹司に嫁がされた――亡き義弟が我が子の父親だった
LEN
恋愛結婚生活
2026年06月12日
公開日
3.5万字
連載中
六年間、私がかぶった罪――冤罪での服役だった。
出所した日、門前で告げられた。
「あなたの子どもは、鳴海家にいます」
鳴海家の社長は車椅子に座ったまま、三つの約束を言い渡す。
書斎に近づくな。
私を詮索するな。
あの子に近づくな。
「わかりました」――私がここに来たのは、彼のためではない。あの子のためだ。
だが誰も教えてくれなかった。
ほとんど言葉を発さないあの子が、初めて会った私から逃げなかったことを。
そして、毎日「マッサージ」と称して続けたことが、車椅子の彼の身体に少しずつ感覚を取り戻させていたことを。
義父と義妹が前科を暴き、場を荒らしたその日――
動く音がして、彼が立ち上がった。
静かな声で言う。
「もう十分だ」
その後、あの子が廊下で私を待ち、口にした最初の言葉は――
「ありがとう」
第1話 出所の日、彼は子供の居場所を知っていると言った