離婚99回目、夫は私が離れられないと思っていた――100回目の離婚で、私は彼のすべての財産と自由を奪った
Goburinrin
恋愛結婚生活
2026年06月15日
公開日
2.2万字
連載中
清水綾。藤原怜一の妻。
結婚して十年。
離婚は九十九回。
そのたびに彼は新しい女を連れて戻ってきた。
「綾、お前が一番分かってる。彼女たちはただの遊びだ。飽きたら戻る」
私は“よくできた妻”だった。
初めて彼の裏切りを知った夜。
私は浴室で手首から血を流しながら、彼に電話をかけた。
しかし返ってきたのは、冷たい声だった。
「また病気のふりか。もううんざりだ」
通話は切られた。
それでも私は笑うことを覚えた。
彼の恋人のために朝食を作り、
彼が他の女に宝石を贈る夜も、「大丈夫」と言い続けた。
彼は信じていた。
私が彼から離れられないことを。
私の涙はすべて、引き止めるためのものだと。
――違う。
私は知っていた。
離婚届にサインするたび、それは“終わりの準備”だということを。
そして今。
百回目の離婚届が、静かに私の前に置かれる。
私は、初めて笑った。
――もう戻らない。