九十九回プロポーズされた代わりに九十九枚の仲直り券を渡した私が、最後の一枚を使った日、離婚した
Utsurautsura
恋愛結婚生活
2026年06月24日
公開日
5.3万字
完結済
新婚の夜、南条飛鳥は沢村悠人に白磁の壺を渡した。
中には九十九枚の“仲直り券”が入っていた。
「あなたが九十九回プロポーズしたから、私は九十九回だけ許す機会をあげる」
それから三年後。
彼は秘書・白石遥のために、祝勝会の場で飛鳥に他人の代わりに謝罪させ、酒を飲ませた。
妊活中の胃の痛みに耐えながら、彼女はその赤ワインを飲み干す。
会が終わると、彼は「車の内装をクリーニングしたばかりだから酒臭いのは困る」と言い、彼女を一人でタクシーで帰らせた。
帰宅した彼女を待っていたのは、彼から送られてきた紙袋だった。
中には秘書がワインをこぼした白いドレスが入っており、「洗っておいてほしい」とだけ書かれていた。
さらに、彼女が最も愛していた洋菓子店の栗のケーキは、彼がその女に贈っていた。
その夜、飛鳥は最後の“仲直り券”を破った。
「沢村悠人、“仲直り券”はもう使い切った。——離婚しましょう」