病的な元夫に支配された 過去から脱出した私は、 女優として再び君臨する――
みちる
恋愛現代恋愛
2026年06月30日
公開日
6.1万字
連載中
三年間の不妊治療の末、ようやく子宝に恵まれた結愛。
しかし、幸せの絶頂にいた彼女が知ったのは、夫・絢人の裏切り――別の女が彼の種を宿しているという残酷な現実だった。
「離婚して」
その願いは冷酷に却下され、社会復帰への道もすべて絢人の手によって阻まれる。
……そう、この結婚は最初から、彼が仕組んだ完璧な「檻」だったのだ。
自由を奪い、羽を捥ぎ、自分だけのものにするための執着。
「結愛、俺以上に君を愛せる奴なんていない。逃げられると思うなよ?」
耳元で囁く絢人は、病的なまでに偏執的だった。
だが彼はまだ知らない。絢人が狂信的に愛する妻の腹には、すでに彼との子供が宿っていることを。
激しい雷雨の夜。
夫が別の女の「子ども」のもとへと駆けつけたその時、結愛の足元は真っ赤な鮮血に染まっていた。
18年間育んできた情愛は、この夜、完全に死んだ。彼女はすべてを捨て、彼の元から姿を消す。
数年後――。
誰もが恐れる絶対権力者・牧野家の御曹司の婚約パーティー。
そこにいたのは、かつてないほど華美なドレスを纏い、美しく咲き誇る結愛の姿だった。
冷徹であるはずの牧野琉树が、彼女の前で跪き、 敬虔に、そして独占欲を隠そうともせずその手の甲にキスを捧げている。
その光景を前に、かつて傲慢だった絢人は、 嫉妬と後悔で瞳を血に染め、狂わんばかりに絶望するのだった――。