都合のいい関係を終わらせたら、御曹司社長が離してくれません
十九
恋愛オフィスラブ
2026年06月30日
公開日
20.3万字
連載中
幼い頃に父を失い、母と二人で支え合いながら生きてきた薰。
母は薫のために再婚したが、継父は酒癖悪く、よく酔ってはDVするタイプ、しかも継父の子たちも自分勝手なやつばかり。
いつか自分が自立して、母を連れてこの家から逃げると心の中で誓った。
運よく、大学卒業後、彼女は松永夕貴が率いる大手企業に入社し、やがて彼の第一秘書となる。
完璧な仕事ぶりと冷静な判断力で信頼を得る一方、二人の関係は次第に仕事を超えたものへと変わっていった。
恋人のようでありながら、決して公にはされない関係。
彼にとって自分は“特別”なのか、それとも“都合のいい存在”なのか――。
そんな不安を抱えながらも、薰は関係を続けていた。
しかしある日、松永の母親から告げられた言葉が、彼女の心を決定的に揺さぶる。
「夕貴はいずれ結婚するわよ。君の時間を無駄にさせたお詫び、受け取ってね」
圧倒的な身分差と現実を突きつけられた薰は、静かに別れを選び、その場所を去ることを決意する。
それは彼女にとって、初めて自分の意思で選んだ“終わり”だった。
――しかし。
彼女がいなくなって初めて、夕貴は気づいてしまう。
彼女がどれほど自分の世界に必要な存在だったのかを。
「今さら、手放せるわけがないだろう」
都合のいい関係から始まった二人の距離は、
失った瞬間から“執着”へと変わっていく。
これは、遅すぎた後悔と、止められない独占愛の物語。