城戸家に16年追放された私、帰還初日に“城戸夫人を殴った”
斑鳩
恋愛現代恋愛
2026年06月30日
公開日
5.6万字
完結済
城戸家は二百億で御影透子の暗殺を依頼した。
しかし、その金は彼女自身の口座に振り込まれていた。
“殺し屋”は存在しない。
それは御影透子自身だった。
御影家の遺児、御影透子。
16年前、母を死に追いやられ、家産を奪われ、城戸家によって追放された。
そして16年後。
彼女は国際資本ファンドを率いて帰還する。
帰国初日、城戸夫人を平手打ち。
二日目、財閥界の前で不正会計の証拠を読み上げる。
三日目、城戸家に全額を自らの口座へ振り込ませる。
その後、彼女は三日間姿を消した。
そして現れたと思えば、ただ一通の電話をかける。
「入金確認しました。ありがとうございます」
城戸義三は、三十年前の直筆署名を突きつけられ、
弁護士と息子の前で崩れかけるほどの衝撃を受けた。
だが、綾小路悠真だけは違った。
彼女が消えた三日間、居場所を誰よりも掴めなかった。
すべての会合を止め、ただ彼女の帰還だけを待ち続けていた。
そして彼女が現れた日。
彼は街角で待っていた。
手袋をそっと彼女の手に押し込む。
「手が冷たい」