ずっと私を拒み続けていた“小叔叔”は、十八歳の誕生日の夜、突然理性を失ったように私に口づけた
大魔王
恋愛現代恋愛
2026年07月01日
公開日
6.4万字
完結済
十六歳の誕生日、私は勇気を振り絞って「好きです」と小叔叔に告白した。
彼は長い沈黙のあと、静かに答えた。
「希美、お前はまだ“好き”というものを分かっていない。ただ俺は、お前の父親に頼まれて面倒を見ているだけだ」
その言葉を最後に、私は彼の部屋を出た。
二年間。
私は週に一度だけ彼の家に戻り、季節の荷物を受け取るだけだった。
会話は五言にも満たない。
時間がすべてを薄めてくれると思っていた。
だが雑誌で彼と財閥令嬢の婚姻話を見た夜、私は三十九度の熱を出した。
その深夜一時、彼は雨の中を走って寮の前に現れた。
濡れたシャツ、乱れたボタン、赤くなった目。
その瞬間、私は気づいた。
もう終わったはずのものが、まだ終わっていないと。
それでも彼は、私との距離を決して越えない。
「二十歳になるまで待て。それまではキスだけだ。それ以上はしない」
それは優しさではなく、理性という名の境界線だった。
彼は知らない。
私が待っているのは“その二年”ではないことを。
十五歳、葬儀の日。
しゃがんで私と目線を合わせたその瞬間から、私はもう逃げられなくなっていた。