花塩汐
恋愛現代恋愛
2026年07月06日
公開日
16.5万字
連載中
結婚して四年――。
瑠奈は誰よりも夫・裕之を愛し、妻として尽くし続けてきた。
けれど、彼の心には最初から別の女がいた。
惜しみない愛情も、無条件の優しさも、何をしても許される特別扱いも、そのすべては彼女だけのもの。瑠奈には、一度だって向けられたことがなかった。
嫉妬し、傷つき、それでも愛そうとしてきた瑠奈は、ようやく悟る。
――愛されない男の心を追いかけても、何も手に入らない。
だったら、せめて手に入れるべきものは、きっちり手に入れる。
そう決めた瑠奈は、一つの計画を実行する。
裕之を巧みに誘導し、離婚届にサインをさせること。
すべては計画どおりに進む……はずだった。
しかしその矢先、二人を乗せた飛行機が墜落。
突然の事故が、二人の運命を根底から覆してしまう。
死を目前にしたその瞬間、裕之の脳裏に浮かんだのは、ただ一人――瑠奈だった。
泣き顔も、笑顔も、ふとした仕草も。
気づけば彼女の存在は、四年という歳月の中で誰より深く心に刻まれ、魂にまで染みついていた。
愛していたのは、ずっと瑠奈だった。
その事実に気づいた時には、もう遅かった。
後悔で目を赤く染めた裕之は、失う痛みを知る。
そして、奇跡の再会。
傷だらけの身体と、遅すぎた愛を抱えた裕之は、プライドもすべて捨て、瑠奈を取り戻すために追いかけ続ける。
「もう二度と離さない――」
そう言って瑠奈を強く抱き寄せ、壊れそうなほど熱い口づけを重ねる。
「瑠奈……お願いだ。もう一度だけ、俺にチャンスをくれ。君がいない人生なんて、もう耐えられない。」