田舎娘が御曹司に嫁いだら、車椅子の病弱な夫が実は腹黒な大物だった
つづら
恋愛結婚生活
2026年07月08日
公開日
2.8万字
連載中
神崎政臣――東京屈指の名家・神崎家の次男。
事故によって車椅子生活となった彼は、誰もが「もう終わった」と思っていた。
兄には事業を奪われ、部下には裏切られ、母親でさえも、彼を“守る女”を金で雇っただけだった。
その女こそ、私。
私は完璧な「夫を守る妻」を演じた。
宴会では彼を嘲笑する者たちを言い負かし、
一族会議では偽りの仮面を次々と剥がし、
彼が「足が痛む」と言えば、一晩中そばで看病した。
けれど私は知らなかった。
毎晩、私が眠りについた後――
彼はベッドから立ち上がり、裏切者たちの名前が並んだリストを処理していたことを。
彼が病弱なふりをしていたのは、敵に警戒されないため。
弱々しく振る舞っていたのは、本当に信じられる人間を見極めるため。
そしてついに、彼がすべてを覆す時が来た。
神崎家は大きく揺れ、
兄は地に伏して許しを乞い、
かつて彼を見下していた者たちは、列を作って謝罪に訪れた。
そんな中、彼は私に告げた。
「澪。東京の新しい邸宅は、もう君の名義にした。毎月二千万の生活費も用意してある」
私は彼の健康な両脚を見つめ、三秒間沈黙した。
そして言った。
「神崎さん……介護する人間を騙した罪は、追加料金ですよ」