名家に捨てられた私が、田舎で最も無口な男と結婚したら、離婚前夜に彼の未来の一千億円級の価値を予知夢で見てしまった
つづら
恋愛結婚生活
2026年07月09日
公開日
6万字
完結済
神谷家から追い出された日、佐伯真央は初めて知った。
二十年もの間育ててもらった恩も、一枚の戸籍修正書類の前では何の意味もなかったのだと。
彼女は吉野山の古い家へ送られ、そこで一人の無口な田舎の男と結婚することになった。
新婚一ヶ月。
蓮は一度も彼女に触れなかった。
近づけば避ける。
話しかければ短い返事だけ。
夜は床で眠り、昼間は早朝から仕事へ出る。
泥だらけで帰ってきても、彼女と目を合わせようともしない。
真央は思った。
きっと自分の人生は、このまま終わるのだ。
家族には捨てられ、
夫にも必要とされず、
自分の存在さえ邪魔なのではないかと。
――そんな彼女が、離婚前夜に不思議な夢を見る。
夢の中で真央は、蓮の引き出しの奥に隠された紙袋を見つけた。
そこに入っていたのは、透けるほど薄いナイトドレス、可愛らしいファー小物、そして思わず顔が赤くなるような秘密の品々。
夢の中の声が告げる。
「彼は君を嫌っているんじゃない。
ただ……君を怖がらせたくなかっただけだ」
真央がその引き出しを開けた瞬間――
二人の運命は、静かに変わり始める。