身代わりの元妻こそ、彼が探し続けた初恋の人だった――契約結婚の夫は高校時代から私を想っていた
絶対占い師
恋愛現代恋愛
2026年07月09日
公開日
5.9万字
完結済
私は姉の代わりに、あの“冷酷無情”と噂される男のもとへ嫁いだ。
最初は分かっていた。
私はただの身代わり。
姉が残した面倒事を片付けるための、都合のいい存在なのだと。
しかし、一枚の契約書から始まった私たちの結婚生活は、少しずつ変わっていった。
互いに干渉しない平穏な同居生活。
いつしかそこには、契約だけでは説明できない感情が芽生えていた。
――その時だった。
突然、姉が戻ってきた。
そして私に言った。
「私の男を返して」
私は思わず笑ってしまった。
だって、ここ数年ずっと自由に恋愛を楽しみ、世界中で裕福で魅力的な男性たちを口説いていたのは彼女のほうだったから。
それなのに姉はSNSで、私の私生活が乱れていると嘘を広めた。
だが私は、彼女が多額の高利貸しから借金をしていた証拠を突きつけた。
さらに姉が一族の集まりへ乗り込み、
「妹が私の居場所を奪った!」
と叫んだ時――
私は静かに録音データを再生した。
そこに流れたのは、姉が逃げた婚約当日の会話。
「妹に押し付ければいいじゃない。どうせ一条凌なんて、つまらない男だもの。誰が嫁いでも同じでしょ」
会場は静まり返った。
姉が警備員に連れ出されていく姿を見ながら、私は悲しくなると思っていた。
けれど、その瞬間。
あの人は私の手を強く握り、皆の前で告げた。
「私は、私の妻を信じています」
そして後になって、彼は私に教えてくれた。
彼は――
七年前から、ずっと私を待っていたのだと。