片想いの相手を一ヶ月も「ママ」だと思って甘え続けたら、彼から百万円が振り込まれていた件
ゆらら
恋愛スクールラブ
2026年07月10日
公開日
4.9万字
完結済
花沢紗月には、誰にも言えない秘密があった。
それは――手の届かない存在だと思っていた神宮寺律に、密かに片想いしていること。
ようやく連絡先を交換できたのに、彼からのたった一言のそっけない返信に傷つき、意地になって彼を削除してしまった。
そして、さらに最悪なことが起きる。
旅行中の母親と連絡を取ろうとしていた紗月は、アイコンがよく似ていた相手を、母親本人だと完全に勘違いしてしまったのだ。
そこから、一ヶ月にわたる「母親への甘え生活」が始まった。
「ねぇ、私のこと“かわいい子”って呼んで?」
水着姿の写真を送って「似合ってる?」と聞いたり、
失恋したと泣きながら、片想いの悩みを打ち明けたり。
さらには、何の疑いもなく、彼から振り込まれた十万円の「服代」と百万円の「失恋慰め代」まで受け取ってしまう。
少女らしい秘密も、弱さも、甘えたい気持ちも――。
彼女は何も警戒せず、すべてを“間違った相手”にさらけ出していた。
しかしある日。
本当の母親から友達申請が届き、紗月はようやく気づく。
一ヶ月もの間、優しく返事をくれて、どんなわがままも受け止めてくれていた相手。
それは――。
彼女が最初に恋をして、叶わないと思っていた相手。
神宮寺律だった。
羞恥と恐怖が一気に押し寄せる。
自分がどうしようもないほどの馬鹿だったように思えて、紗月は今すぐこの星から消えてしまいたいと思った。