長年片想いしていた幼なじみと彼女に酒を飲まされ辱められた私は、彼の財閥御曹司の親友と結婚した――彼は跪いて復縁を願った
桃音りり
恋愛現代恋愛
2026年07月13日
公開日
6.3万字
完結済
彼女は信じていた。
幼なじみとの絆こそ、この人生で最も揺るがない支えなのだと。
幼い頃からずっと想い続けてきた相手。
いつか振り向いてくれると、心のどこかで信じていた。
――しかし。
幼なじみと彼女の復縁祝いの席で、彼は皆の前である記憶を口にした。
「彼女はお酒が飲めないんだ。首に赤い発疹が出るから」
その優しさのような一言は、彼女を婚約者の嫉妬という刃の前へ突き出した。
彼女は、彼の恋人の“体面”を守るためだけに、身体に合わない赤ワインを飲まされることになる。
そして。
「妹みたいな存在だろ」
そう笑われ、幼なじみとしての情だけを押し付けられ、さらには「誰か紹介してもらえば?」と相手にされなかった時――
彼女は静かに告げた。
「私、もう彼氏がいるの」
その瞬間、全員が言葉を失った。
彼女の隣に現れたのは――
幼なじみの兄弟分であり、誰もが知る財閥御曹司。
彼は人前で彼女の代わりに酒を受け、過去の男に傷つけられた彼女を背中で守る。
そして冷たく宣言した。
「彼女の恋人は、俺だ」
彼は幼なじみの偽りの優しさを暴き、
誰にも知られていなかった真実を明かす。
彼女こそ、彼が何年もスマホの待ち受けにしていた、唯一の女性だった。
彼女が古い恋文を破り捨て、もう振り返らず去っていく姿を見た時。
かつて彼女を傷つけた男は、ようやく理解した。
自分がこの手で手放したのは――
二度と取り戻せない、人生で唯一の未来だったのだと。