台風の日、高速のサービスエリアに置き去りにされた―子どもを産んだ。三年後、彼は跪いて「戻ってきてほしい」と願った
villi
恋愛現代恋愛
2026年07月14日
公開日
5.5万字
完結済
彼が私をサービスエリアに置き去りにしたあの夜、私はひとりで子どもを産んだ。
翌日、彼が病院に現れた時、彼の服には知らない女性の香水の匂いが残っていた。
「道路が封鎖されていた。スマホの充電も切れていたんだ」
そう言う彼に、私はただ、
「……うん。分かった」
と答えた。
責めることもしなかった。
泣くこともしなかった。
ただ、その瞬間に決めた。
――もう、誰かを待つのはやめよう、と。