ネット恋愛で初めて会った彼のリストに、“私”がもう一人いた――私は本物の代わりだった
RikoRiko
恋愛現代恋愛
2026年07月14日
公開日
2.2万字
連載中
私は半年間、恋をしていると思っていた。
でも実際は――
誰かが愛する相手を間違えた、その代わりだった。
ネット恋愛の相手と初めて会う日。
私は偶然、あるコメントを見つけた。
「もし記憶を持ったまま過去に戻れるなら、あなたは何を変えたいですか?」
コメント欄には、さまざまな願いが並んでいた。
「結婚や仕事をやり直したい」
「失った家族を救いたい」
そんな言葉の中で、たった一つだけ異質なコメントがあった。
「僕なら、彼女の連絡先を自分で聞きに行く」
「そうすれば、友達が相手を間違えたせいで、別の女の子と半年間話し続けることなんてなかった」
「もう現実で会うところまで来てしまったから、今さら間違いだったなんて言えない。このまま続けるしかない」
そのアイコンも、プロフィールの言葉も――私の彼と同じだった。
彼はずっとビデオ通話を嫌がっていた。
いつもどこか無理をした笑顔だった。
その理由が、ようやく分かった。
彼は最初から、私を別の誰かと間違えていたのだ。
私が続けていたこの恋には――
最初から、私の居場所なんてなかった。
私は責めなかった。
泣き喚くことも、縋ることもしなかった。
ただ、綺麗に身を引いた。
返ってきた言葉は、たった一つ。
「これから先、君の望みを一つだけ、何でも叶える」
その後、彼はすぐに本来連絡を取るべきだった女性と付き合い始めた。
一方の私は、その女性に人前で頬を叩かれ、仕事まで失い、周囲から見放された。
すべてを失い、一人で人生をやり直そうとしていた時。
ずっと前に、誰かに連絡先を奪われても、私を忘れなかった人が現れた。
彼は笑顔で私の家の前に花を持って現れた。
笑顔のまま会社を辞め、私のそばにいるために一から働き始めた。
そして――
私が一番惨めだった瞬間。
いつもの優しい笑顔を消し、私を傷つけた人たちの前に立ちはだかった。
その瞬間、私は初めて知った。
間違った恋を失った先に、本当に私だけを選んでくれる人がいたのだと。